トイレトレーニングは、とてもデリケートなことです。そして、単純にトイレができるようになるかどうかということだけではなく、トイレトレーニングの時の関わり方は、子どもの性格形成にも影響を与えるという心理学的な研究結果もあります。

この時に問題となるのは、失敗を怒ったりできてもそれが当たり前だと褒めることをしなかったりということです。そうなると、子どもが親に対して信頼の気持ちを抱きにくくなってしまうのです。そのため、トイレトレーニングでは失敗を怒る、責めるなどはしてはいけないのです。

しかし、そういった極端な場合だけではなく、親にしてみればむしろ応援するつもりで言っている言葉が、子どもにはプレッシャーになったりすることもあります。そういうことを知っておくだけで、よりトイレトレーニングを快適に進めることができます。そこで、トイレトレーニングの時に言ってはいけない言葉について見てみましょう。

まずは、命令するような言い方をすることです。例としては、トイレでちゃんとしなさい!などの言い方となります。それと似ているのが、説教口調や尋問口調でおしっこはトイレでするのが当たり前よとか、どうしてトイレじゃないところでおしっこをするの?とかいうような言い方となります。こういう言い方をされると、大人でも萎縮したり緊張したりしてしまいますよね。子どもにとってもそれは同じです。

それから、脅迫するような内容も子どもを焦らせたり強いプレッシャーを感じさせたりします。例えばトイレでできなかったらおやつを食べさせないとか、このままじゃ幼稚園に行けないよとかいうような内容です。そして、こんなところで漏らして汚いとか臭いとかいう言い方も、子どもの心を傷つけます。場合によっては、漏らしたこと自体ではなく自分が汚いんだと勘違いしてしまうこともあるので注意が必要です。

最後に、お友達はできているのにあなたはできないのねといったような他人と比較する言い方も問題があります。比較して怒ることは子どもの自尊心を傷つけ、自信のない子どもにしてしまうことにも繋がります。これを見て、普段怒る時にもこういう言い方をしない方がいい言い方ばかりだと思われたかもしれませんね。

実はその通りです。特にトイレトレーニングには失敗が付きものでイライラしやすいということから、普段よりこういうことを言ってしまいたくなるものなので、注意が必要だということです。

それから、トイレトレーニングに特有な言い方で気をつけなければいけないこととしては、次は頑張ってしようねとか、次はできるわよとか、一見励ますように見える言葉でも、それが子どもにはプレッシャーを与えることがあるということです。

たとえできないとしても、子どもはトイレに座るとか、慣れないことを頑張っています。それを、次は頑張ろうと言われると、今は頑張っていなかったんだと思うことになるのです。これは意外ですよね。そのため、過度に励ますのではなく、今の時点でできていることを褒めるという方向でお子さんと接した方がいいということです。

以上のことから言えるのは、言ってはいけない言葉があるというよりは、大人が感情に任せて言葉を発することに問題があるということかもしれませんね。もしかし、大人にだって感情はありますから、絶対にそれを言ってはいけないと思うと今度は大人の方がまいってしまうかもしれないので、無理をしすぎる必要もありません。

そうならないように、できるだけ自分に余裕のある時期を選んだり、便利グッズを利用したりなど対策を考えて、親子で楽しくトイレトレーニングが進められるようにしたいものですね。