子どもがトイレに自分から行けるようになるためには、トイレに行くとすっきりして気持ちがいい、トイレに行くと楽しいということを感じさせることが必要です。ですが、その前段階として、子どもがおしっこがしたいという感覚を掴む、それを言葉で表現するということができるようになっておく必要があります。そこで、子どもがおしっこに行きたいと言えるようにする工夫から考えてみたいと思います。

まずは、子どもがおしっこに行きたい時にはどう言えばいいのか、その言葉を伝える必要があります。大人がトイレに行く時には「おしっこに行きたい」「トイレに行くよ」などと言葉に出して言うとか、お子さんがもじもじしている様子が見受けられたら「おしっこがしたいの?」などとその状況を言葉にして言うようにしてみましょう。

そうすることによって、まずはお子さんがおしっこがしたいという感覚を感じ、それを表現するための言葉を覚えます。それを知らなければ、お子さんは自分でおしっこがしたいという感覚を感じていたとしても、表現するための方法が無いことになります。それを表現する手段を覚えたら、おしっこがたまる感覚を知り、これがトイレに行きたいということだとわかることが必要です。

そのため、誘ってトイレに行っていたものを、今度は敢えて誘うタイミングを遅らせるという工夫でそれをお子さんに感じてもらうことができます。そこまでできたら、今度はトイレに行きたくなるような工夫が必要になります。考えられるのは、大人の関わり方と、トイレ自体の空間を行きやすい場所にすることです。

まず、大人の関わり方からですが、トイレでできたら大げさなくらいに褒めて、嬉しいと思っていることをお子さんに伝えましょう。お子さんにはそれが励みになって、また次もトイレでしてみようと思えるものです。

しかし、逆にできなくて残念に思った気持ちや、イライラした気持ちは伝えないようにしなければいけません。それが伝わってしまうと、自信を失ったりトイレに行くと怒られると思ったりして、トイレに行けなくなることもあるからです。トイレでできなくて、おしっこと伝えた後で漏らしたとしても、伝えられたことを取り上げて褒めるなど、お子さんの気持ちを盛り上げる関わり方を工夫してみましょう。

次に、トイレの環境づくりに関する工夫です。これには、トイレを楽しい空間に演出することが考えられます。トイレ自体にお子さんの好きなキャラクターのグッズを置いたりポスターを貼ったりする、お子さんの好きなトレーニンググッズを選ぶ、かわいいスリッパを置くなど、お子さんが楽しめる空間にすると、トイレに行くことが楽しいと思えるようになります。

しかし、トイレを飾り過ぎると、トイレトレーニングよりも遊びにお子さんの気持ちが移ってしまうこともあります。そのため、トイレを楽しく演出するとは言っても、お子さんの気持ちがそれない程度にする必要があります。

また、お子さんがトイレを怖がるようなら、ドアを開けたままにする、一緒に言って大丈夫だと言い聞かせるなど、恐怖心を取り除く工夫が必要になります。お子さんの大好きなぬいぐるみなどにトイレの前までついて来てもらうのもいいですね。

子どもが自分からトイレに行けるようになるためには、おしっこがたまる感覚を覚え、それを表現するという準備が必要です。それを意識して伝えた後には、言葉掛けに気をつけたりトイレの空間を飾ったりすることで、お子さんが自分からトイレに行けるよう工夫してみましょう。