トイレトレーニングの最終的な目的は、親が誘えばトイレに行けることではなく、子どもが親に言われなくても自分からトイレに行きたいと感じ、トイレでできるようになることですよね。つまり、子どもが自分で言えるようになるまでが大切だということです。そのためには、誘えばできる段階から、自分でトイレに行ける段階へとステップアップしなければいけません。

そのために大切になるのは、トイレへの誘い方です。トイレトレーニングを始めた段階では、生活の節目でトイレに誘うのがいいという話を先ほどしましたよね。その中で、おしっこがたまる感覚を感じるためには、頻繁に誘い過ぎないことが大切だということも確認しました。

それでは、トイレに座れるようになり、タイミングが合えばトイレでできるようになった次の段階ではどうすればいいのかというと、トイレに誘うタイミングを遅らせることが効果的です。大人でも何かに熱中している時には似たようなことがあるかもしれませんが、子どもも夢中になっている時にはトイレに行きたいことも忘れて遊んでいることがあるものです。

このことが、実は、子どもがおしっこをためることができるようになる練習になっているのです。そのような無意識のうちの練習が積み重なって、だんだんためられるおしっこの量も増えてきます。それと合わせて、おしっこがたまるまで待つことによって、おしっこに行きたいという感覚を子ども自身が感じることもできます。

誘われてトイレに行くことが続くと、自分でその感覚を感じる前にトイレに行くことになるので、その感覚が感じられないままになってしまうのです。そこで、そろそろかな、と思う時にトイレに誘うのではなく、遅いかなと思うくらいまで声を掛けないようにするという方法が有効だということです。そうすることで、自分から言えるようになるということですね。

しかし、そうなると当然のことですが失敗することも増えてきます。タイミングを見て誘っていると失敗は少なくて済みますから、つい誘いたくなるかもしれませんが、トイレトレーニングで一番大切なことは、子どもが自分からトイレに行けるようにするということです。そのため、自分でおしっこに行きたいと感じられるようになる練習をする必要があるということなんですね。

失敗が続くとついイライラしたくなるかもしれませんが、ここでお子さんがおしっこの感覚を掴むことができたら、トレーニング完了までもう少しです。そのため、ここで怒ってしまうことがないように、気をつけてお子さんと接する必要がありますね。