昼はトイレに行けるようになっても、それと同時に夜のおむつまで外れることはほとんどと言っていいほどないですよね。昼はおむつ無しで過ごせても、夜はまだしばらくおむつがいるということは多いものです。夜と昼ではおむつが外れる時期が違うものなのですが、その理由は何でしょうか。見ていきたいと思います。

ある程度大きくなると、夜はトイレに行かなくなったり、行っても1回くらいになりますよね。これは、寝ている間はトイレに行く間隔が長くなっているということを意味しています。それには、膀胱の大きさとホルモンの発達が関わっています。寝ている間にもおしっこは作られていますが、この量が多くなると寝ている間に膀胱からあふれてしまうことになります。これが、おねしょの原因です。

しかし、大人でも昼間と同じ調子でおしっこが作られているとすると、寝ている間にどうしてもトイレに行きたくなりますよね。そうならないようにしているのが、抗利尿ホルモンと言われるホルモンです。このホルモンは寝ている間に分泌され、おしっこを濃くし、量を減らす役割をしています。それで、寝ている間は昼間のように多くのおしっこが作られないというわけですね。

このホルモンは、ぐっすり眠ることでより多く分泌され、また眠りのリズムが整うのにしたがって分泌量が多くなるものでもあります。そのため、成長にしたがっておねしょは減るのであって、昼間のおむつが外れるのとは関係が無いということになるんですね。

それなら、膀胱が発達しないうちは夜中に時間を見て起こして、トイレに連れて行った方がいいのかと言うと、そうではありません。先ほど、抗利尿ホルモンは睡眠のリズムが整うのにしたがって多く分泌されるようになると言いましたが、夜中に起こされると睡眠のリズムが整わず、抗利尿ホルモンの分泌量が増えません。

それに、起こされると子どももおねしょをしてはいけないから起こされるんだと思い、それが自信をなくすことにつながってよけいにおねしょが長引くことになります。それから、睡眠を途中で遮られるとぐっすり眠れないため、体調も整わなくなります。そうなると、健康にまで影響が出てしまう可能性もあるのです。

そういうことを考えると、昼のトイレトレーニング以上に夜のおねしょは子どもの成長を待つしかないものであると言えますね。そのため、昼はおむつを使わなくて済むようになったんだから夜も頑張ろうなどと思う必要はなく、お子さんの様子を見ながら無理をしないでおむつが外れる時期を待てばいいのです。