トイレトレーニングには、始めてもいいという目安になる時期があることを先ほど確認しました。歩けること、トイレの間隔が開くこと、自分で意思表示ができることをその条件として挙げましたが、それが整っていればトイレトレーニングを始めることはできます。しかし、トイレトレーニングはデリケートなものでもあり、子どもの心の状態によっては体の準備が整っていても上手く進めることができないこともあります。

それはどんな時かというと、子どもの環境に大きな変化があったような時です。例えば、お母さんが妊娠したり出産したりした時です。こういう時には、トイレトレーニングに関することだけではなく、上の子どもの様子が変わることがあることは、みなさんご存知かと思います。急に甘え始めたり、赤ちゃん返りをしたりという反応が見られることもよくありますよね。

そんな時にトイレトレーニングを始めてしまうと、負担になることもありますよね。また、始めていたトイレトレーニングを続けている中で、自分の方に注意を引くためにおしっこをしたいことを伝えなかったり、おもらしをしたりという可能性もあります。

今までずっと自分のものだったお母さんが兄弟に取られるかもしれないという気持ちは、予想以上に子どもの心に影響を与えるものですよね。そのため、そういう時に無理にトレーニングを始めたり続けたりしようとするよりは、一度中止して子どもの気持ちが落ち着いてから始めた方が上手く行きます。

それから、保育園や幼稚園に通うようになったとか、引っ越しをしたとかいうことも子どもに大きな影響を与えることがあります。そういうときには、今まではトイレでできていたのに急にできなくなるというようなことも考えられます。

そんな時には、どうしてちゃんとできないのかと責めると子どもを追い詰めることになってしまいますので、環境が変わったから心が安定していないんだというように子どもの気持ちを察して接することができるといいですね。

大人だっていろいろ思うことはありますから、失敗されたらイライラすることもありますよね。今までできていたことができなくなったら、どうしてなんだろうと思うこともあります。でも、それを子どもにぶつけてしまったら、かえってトレーニングが長引いて大人も大変になってしまいますので、そう考えてイライラしないことを心がけたいものです。

イライラすると、子どもにとっても大人にとっても良くないんですよね。そのためにも、子どもの状況が整わないと思う時には、無理にトイレトレーニングを始めたり進めたりしなくてもいいということが言えます。